Nakamura lab. develops new material creating or conserving energy by using ultrahigh density Si-based nanodots.

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研究課題と背景

情報ネットワーク社会の発達に伴って、コンピューター、スマートフォン間の情報通信(インターネット)が盛んに行われ、現在ではデジタル情報家電にもインターネットが利用されています。近い将来は、こうした情報端末・家電だけではなく、様々なセンサーをあらゆるところに配置してインターネットに接続することで、機械、人体、構造、自然物等の様々なものの情報を世界中から収集し、それをもとに遠隔地の機械を操作する、といった、モノのインターネット(Internet of Things: IoT)の時代がやってきます。しかし、こうした外部から隔絶された環境でセンサーを駆動させるには、長期間、設置環境下で発電する小型自立電源が必要です。そこで、これまで利用されてこなかった廃熱や機械的振動などからエネルギーを回収し、発電する、環境発電(エネルギーハーベスティング)デバイスが必要になってきています。

一方、現在、こうした情報通信機器に含まれる集積回路においては、莫大な消費エネルギーが問題となってきています。今まで、省エネルギー化に向けたデバイス開発が取り組まれてきていますが、エネルギーのほぼ6割が発熱として無駄に失われていることを勘案すると、“省エネルギー化”だけではなく、廃熱エネルギーを使って発電し、エネルギーを“再利用”することが理想と考えられます。そのためには、廃熱エネルギーを移動したり、放熱したり、電気に変換したりといったサーマルマネージメントが重要となってきます。現在、ナノスケール構造をもつ材料(ナノ材料)を用いることで、自由自在にサーマルマネージメントを行うことが可能になると期待されている段階です。これを使ってIoTを現実化するには、安価・無毒で資源枯渇の心配のないユビキタス元素(O, Si, Fe, Znなど)から構成される発電機能ナノ材料を開発する必要があります。

中村研究室では、これらの社会問題の解決のため、サーマルマネージメントを使って、エネルギーハーベスティングを行うことを目指して、量子力学、固体物理学、熱・キャリア輸送の学術を駆使してユビキタス元素ナノ材料を設計・作製を行っております。具体的には以下の4つ研究に取り組んでいます。

研究テーマ

1. ナノテクによるユビキタス元素を用いた熱電発電ナノ材料の開発

1-1.  IOT(Internet of things)実現に向けた熱電発電ナノ材料開発: Si,Ge,シリサイドの量子構造(ナノドット、ナノワイヤ、超格子)の発電応用

1-2. 透明材料からの環境発電(エネルギーハーベスティング)を目指したナノ材料開発: ディジタル機器ディスプレイ、窓ガラスからの熱エネルギー回収によるグリーン発電

170630 中村研研究紹介画像

2. ナノテクによる次々世代社会のサーマルマネージメントの創出

2-1 電子・光に加えて熱をも制御するフォノンエンジニアリングナノ材料開発

2-2 新規フォノン伝導の観察手法の開発

3. 次世代の省エネ電子デバイス開発に向けた半導体プロセス・材料・構造開発

3-1.  2次元ナノ構造(Silicene, Germanene)を用いたトランジスタ開発

3-2. 0次元酸化物超薄膜を用いた高性能ReRAMナノ材料開発

4. 振動エネルギーの回収を目指した新規圧電ナノ材料開発: 振動を利用したエネルギーハーベスティング

研究戦略

ナノ構造をうまく設計することによって、異常なほど性能を向上させた材料を創る。

現在は、レアメタルフリーで新規・高性能の省・創エネルギーナノ材料を!

Siプロセスと低次元構造(ナノドット・ナノワイヤー・超格子)に着眼した戦略を!

研究方針

(1)自分で、新規のナノ構造・材料を設計し、

(2)自分で、ナノ技術を駆使して作製し、

(3)新しい・高性能な特性・物性を創出し、

(4)最終的には、社会的課題(エネルギー問題、元素戦略)解決に寄与するにいたる。

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